大久野島のうさぎはなぜ増えた?激減の真相と2026年最新の生息数
瀬戸内海に浮かぶ広島県竹原市の大久野島は、国内外から多くの旅行者が詰めかける世界屈指の「うさぎ島」として知られています。愛らしい無数のうさぎたちと触れ合える癒やしの楽園として注目を集める一方、かつては旧日本軍の毒ガス兵器を製造していた軍事機密の地「毒ガス島」という重い過去を背負っています。
現在ではSNSや観光メディアをきっかけに人気が定着していますが、コロナ禍を経て一時は「うさぎが激減したのではないか」という噂がネット上を駆け巡りました。本記事では、大久野島にうさぎが増えた歴史的ルーツから現在の生息状況、安全に楽しむための餌やりルールや現地アクセスまで、2026年時点の最新現地事情を分かりやすく解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:島にいるうさぎは実験動物の生き残りではなく、1971年に地元小学生が放した8羽が野生化・繁殖したものが直接の起源。
- 要点2:コロナ禍の観光客減少で一時は生息数が半減したものの、2026年現在は約500〜600羽前後の自然な適正規模で安定。
- 要点3:島内では餌の現地販売がなく持ち込みが必須。誤食やケガを防ぐため公式ルールの厳守が求められている。
【なぜ増えた?】毒ガス島と呼ばれた歴史とうさぎの意外なルーツ
大久野島を語るうえで避けて通れないのが、戦前・戦中に旧日本軍の毒ガス製造工場が置かれていた歴史です。当時は軍事機密を守るため国土地理院の地図からも抹消され、「地図から消された島」とも呼ばれていました。戦時中、毒ガスの効果を確かめる実験動物としてうさぎが飼育されていたのは事実です。
しかし、現在島を駆け回っているうさぎたちは、当時の実験動物の子孫ではありません。終戦時に当時の実験用うさぎはすべて殺処分された記録が残っています。現在のうさぎたちの直接のルーツは、1971年に地元竹原市の小学校で飼われていた8羽のアナウサギが島に放育されたことに始まります。
天敵となるキツネや野犬が存在しない温暖な気候の無人島環境、そして国民休暇村の開設に伴う保護活動が重なり、驚異的な繁殖力を持つうさぎたちは数十年をかけて爆発的に個体数を伸ばしていきました。
【激減の真相】一時期の激減報道と2026年現在の生息数
2010年代半ばから訪日外国人客の増加もあって大久野島は空前のブームを迎え、ピーク時には島内に900〜1,000羽以上のうさぎが生息していました。しかし、2020年からのコロナ禍で観光客が激減し、来島者からの給餌が途絶えたことで「島内のうさぎが飢餓で激減した」というショッキングな情報がネット上に広がりました。
環境省や関係機関の定点調査によると、過密状態にあった個体数は一時期300〜400羽程度まで減少したと報告されています。ただし、これは単なる飢餓だけでなく、過密化による感染症の蔓延や、観光客による過剰給餌で自然の草を食べる能力が落ちていた個体の自然淘汰など、複合的な要因が絡んでいました。
観光需要が完全に復活した2026年現在、大久野島のうさぎの生息数はおよそ500〜600羽前後で安定しています。島の生態系やキャパシティから見ても、かつての異常な過密状態から脱し、健康的で自然な頭数へと適正化が進んだ状態といえます。
【餌やりルール】持ち込み餌の選び方と噛まれる事故を防ぐ注意点
大久野島を訪れる際、絶対に把握しておくべきなのが餌の取り扱いです。現在、大久野島の島内ではうさぎ用の餌は販売されていません。ふれあいを楽しみたい場合は、本土側の乗船前(忠海港の売店や周辺スーパーなど)でペレット状の固形飼料や野菜を購入して持ち込む必要があります。
持ち込み餌には与えてよいものと厳禁なものがあるため、事前の確認が欠かせません。
- 与えてよい餌:市販のラビットフード(ペレット)、キャベツ、ニンジン、小松菜など
- 絶対にNGな餌:タマネギやネギ類、ジャガイモの芽、パン、お菓子、水分が多すぎる生野菜
また、現場で最も多発しているトラブルがうさぎに指を噛まれる事故です。うさぎは視力が弱く、人の指を餌と誤認して鋭い前歯で噛みついてしまうケースが後を絶ちません。手から直接口元へ差し出す「手渡し給餌」は避け、地面やすり鉢状の容器に置いて食べさせるのが基本ルールです。島内を走行する休暇村の無料送迎バスや自転車との接触事故を防ぐため、道路の中央で立ち止まって餌をやる行為も禁止されています。
【アクセス&滞在】忠海港からのフェリー情報と休暇村大久野島
大久野島へ渡るメインルートは、広島県竹原市にある「忠海(ただのうみ)港」からのフェリー・旅客船利用です。山陽新幹線の三原駅からJR呉線で約20分の忠海駅を下車し、徒歩約7分で忠海港へ到着します。車利用の場合も忠海港周辺に無料・有料駐車場が整備されています。
忠海港から大久野島桟橋までは、大三島フェリーまたは休暇村客船を利用して片道約15分の船旅です。1時間に1〜2本ペースで運航されていますが、大型連休や行楽シーズンには乗船券売り場に行列ができるため、時間には余裕を持った移動計画を立てておくと安心です。
日帰り観光も十分可能ですが、朝夕の涼しい時間帯に最も活発に動くうさぎたちの姿を見たいなら、島内唯一の宿泊施設である「休暇村大久野島」への宿泊がおすすめです。瀬戸内海の旬の味覚を味わえるビュッフェや天然温泉が完備されており、夜間や早朝の静寂に包まれた島内で、日中とは異なる穏やかな表情のうさぎたちと触れ合えます。
【竹原市観光】うさぎ島と合わせて巡る「安芸の小京都」
大久野島を訪れたなら、本土側の広島県竹原市の市街地観光も外せません。竹原市は江戸時代に製塩や酒造業で栄えた歴史を持ち、「安芸の小京都」と称される町並み保存地区が広がっています。
格子戸や白壁の美しい屋敷が立ち並ぶ通りには、伝統的な造り酒屋や古民家をリノベーションしたカフェが点在しており、落ち着いた散策が楽しめます。大久野島で愛らしい動物と自然に癒やされたあと、午後は竹原の歴史情緒と地酒カルチャーを味わうコースは、広島観光でも屈指の満足度を誇る定番ルートです。
【大久野島のうさぎ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大久野島へうさぎの餌を持ち込むのを忘れた場合、現地で買えますか?
A1:大久野島の島内では餌の販売は一切行われていません。船に乗る前に、忠海港のフェリー待合所にある売店や、忠海駅周辺のコンビニ・スーパーであらかじめペレットなどの専用飼料を購入してから渡航してください。
Q2:島内に残った餌をそのまま置いて帰ってもいいですか?
A2:余った餌の放置(置き餌)は固く禁止されています。放置された野菜やペレットが腐敗して衛生環境が悪化するだけでなく、カラスやイノシシなどの外来天敵を引き寄せる原因になります。食べ残した餌や持ち込んだゴミは必ずすべて持ち帰りましょう。
Q3:小さな子ども連れでも安全に楽しめますか?
A3:十分に楽しめますが、保護者の注意深い見守りが必要です。小さな子どもが不用意に手を出して指を噛まれたり、抱っこしようとしてうさぎが暴れてケガをしたりするトラブルが報告されています。「追いかけない・抱っこしない・餌は地面に置いて与える」という原則を徹底してください。
まとめ:豊かな自然と歴史が息づく島を未来へつなぐために
大久野島は、かつての毒ガス製造という戦争の爪痕を今に伝える歴史遺構と、のびのびと暮らす野生うさぎの姿が共存する世界でも類を見ない島です。激減騒動を経て現在の適正な生息数へと落ち着いた背景には、島を取り巻く自然の自浄作用と、地域社会による地道な見守りがありました。
訪れる旅行者一人ひとりがマナーを守り、うさぎたちの命と島の歴史に敬意を払って接することこそが、この美しい楽園の日常を守る何よりの鍵となります。ルールを正しく理解したうえで、瀬戸内海の穏やかな海と愛らしいうさぎたちとの特別な時間を過ごしてみてください。 (出典: 大 久野 島 うさぎ(Yahoo!ニュース))